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浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

「漆配給ニ関スル請願ノ件」

一七閣商第六〇號

漆配給ニ関スル請願ノ件

 請願者 盛岡市茅町四十六番地
     漆器製造業 石井 峰吉 外十九名

衆議院議決)

要旨
右請願ノ趣旨ハ政府二於テ国産漆ノ配給二関スル統制令ヲ施行スルノ意図アリ且之ガ施行丿暁ニハ民間ヘノ配給ヲ期待シ難キ状勢ニアリト仄聞スルモ然ルトキハ岩手縣下二於ケル古キ傳統ト歴史ヲ有スル秀衡椀、浄法寺椀、正法寺椀等丿漆器製造業者ハ従来其丿消費量丿殆ト全部ヲ地元国産漆に依存シタル関係上僅少ナル手持品ヲ消費シタル後一斉廃業丿外止ム無キニ至ルヘキヲ以テ之等業者丿憂慮甚ダシキモノアリ依テ政府ハ前記漆器製造業者二対シ輸入漆丿増配竝国産漆丿特別配給ヲ行フ様取計ハレタシト請フ二在リ

右二対スル意見
国産漆ハ昭和十六年十二月二十九ヨリ生漆配給統制規則丿施行二伴ヒ従来自治的統制ヲナシ居リタル輸入漆ト一元的集荷配給統制ヲ実施シツツアリ然ルニ国産漆ハ其丿生産量甚ダ少ク且支那産漆丿輸入モ殆ド途絶セル今日ニ於テハ支那産漆ニ代リ其丿大部分ヲ軍ニ供給シ一般民モ輸送其他困難ナル事情アルモ可及的之ガ輸入丿確保ニ努メ従来国産漆ニ依存シタル漆工業者ニ対シテハ可及的仏印産漆丿増配ヲ為ス方針ニシテ国産漆ニアリテモ将来ハ可及的配給丿措置ヲ講ジタキ方針ナリ
右措置ニ寄リ請願丿趣旨ニ添ヒ得ルモノト認ム

右閣議ヲ請フ
  昭和十七年七月二十五日
                       商工大臣 岸 信介
  
内閣総理大臣 東條 英機 殿

 

戦時中ですが、上記の請願が採択されているのを国立公文書館で見つけました。

盛岡市茅町(現在の材木町)の漆器屋さん他が衆議院に対して請願をしたところ認められたという内容です。しかも当時の総理大臣は東條英機(本籍岩手県)で、衆議院議長も田子一民(岩手選出)です。

なんだか現在の状況に似ています。国産漆の需給が逼迫して産地に地元産漆がなかなか出回っていない現状。