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japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

国産漆の状況

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ご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞご愛顧いただきますよう、宜しくお願い致します。


昨年から国産漆をめぐる状況が一変しております。
文化庁が昨年2月、全国の都道府県教育委員会あてに通知を出しました。国宝や重要文化財建造物の修理・修復には国産漆を原則使用するという内容です。
長年産地が要望していたことが叶った瞬間でした。これにより漆の生産者が安心して漆を取ることができるようになりました。
それまでは採取した漆が売れ残るほどで、漆掻きだけでは生計が立てられなかったのです。


希少な国産の漆ですが、明治時代から安価な中国産漆に押されてどんどん自給率は下がっていきました。文化財の修理や漆器の製作でも中国産漆を使用する現場が多く、国産は高いという理由で敬遠されてきました。経済原理からいうと仕方のないことですが、それがさらに漆掻き職人の減少、後継者難という問題を生んできました。
まさに崖っぷちの状況で今回の通知が出たのですが、喜んでばかりもいられません。


文化財の修理に使用される漆の量だけでも、現在の生産体制のままでは足りず、今後漆の植樹や適切な管理、後継者の育成などさまざまな対策を取らなければなりません。漆を植えるにも適地があり、むやみに植えられるものでもありませんが、多くの方々の理解とご協力を得ながら、産地として国産漆の生産量を増やしていければと考えています。そのためには浄法寺だけではなく国内全体で漆を植えて採取する仕組みが欠かせません。
昨年から、国産漆の現状を知っていただくため全国各地で国産漆のセミナーを開催したり、講演活動を行っています。漆に携わる方々はご承知のことと思いますが、ほとんどの方々は初めて危機的な状況を知ったという方ばかりで、改めて伝えることの大切さを感じました。


漆と聞くだけでかぶれるとか、高そうというイメージがありますが、日本の文化を根底で支えてきた漆をみなさんのご協力をいただいて次世代へ継承していかなければなりません。
浄法寺漆浄法寺漆器をご愛用いただいている皆様に安定して販売できるよう努めて参りますので、今後とも引き続きご愛顧のほど宜しくお願いいたします。