japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

乾漆と浄法寺漆

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東京へ出張してきました。

11月17日に、飯田橋にある連合設計杜市谷設計事務所にて「構造乾漆」という展示会がありそのトークイベントに参加してきました。

http://arch.geidai.ac.jp/Exhibition

 

宮城大学の土岐謙次さんと東京藝大の金田研究室の合同プロジェクトで、乾漆の技法を生かした椅子やオブジェを作っているのです。軽くて丈夫な素材として古くは興福寺の阿修羅像(八部衆像)などが有名ですが、これを現代にも通じる構造として実証研究を進めています。

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これが乾漆の技法で作った椅子です。土岐さんに勧められるままおそるおそる座ってみましたがとても頑丈。120キロの人が乗っても大丈夫ということはお相撲さんみたいな人が乗らない限りはOK。

 

この乾漆の椅子のほかにも以前土岐さんがてがけた「鎧ふかたち」(ガンダムのザクを漆塗りしています!)も展示されていました。写真でしか見たことがなかったのですが、実物はうっとりするほど素晴らしい。以前こちらの会場で展示会をされた際には10体がズラリとならんだとか。壮観ですね。

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その後トークイベントがありまして、土岐さんと藝大の金田さん、そして建築家の六角鬼丈先生が登場。今回の構造乾漆のプロジェクトのお話は大変興味深く、今までにない漆の可能性というものを感じました。漆は塗料でもあり接着剤でもあるのですが、この構造乾漆のアイデアというものが漆を専攻していない建築の学生から始まっているのがとても面白いのです。漆かぶれに果敢に挑戦しながら土岐さんに漆を教わりつつ完成させていくプロセスは、なにも漆の専門家でなくてもかぶれを厭わなければ(笑、意外にもできてしまうのだなと思いました。六角先生もそれを後押しする形でお話をされていました。

そこでなぜか私が漆産地の人として呼ばれまして少しお話をしました。ちょうど浄法寺漆Youtube映像が出来上がり公開されていましたのでそれを見ていただきながら浄法寺、国産漆の現状をお話しました。皆さん熱心に聞いていただき、トーク終了後も質問をもらったりしました。来場されている方には漆関係者の方もいましたが多くは建築関係。漆のことはあまり知らないという方が多かったので新鮮な話に感じられたかもしれません。