japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

漆のにおい

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漆には匂いがあります。独特の匂いなのでこういう匂いは漆しかないのではないかという気がします。

ただ、中国産漆はちょっと腐った匂いがしますね。おそらく保管や精製の過程で漆が劣化してるのだと思いますが、掻きとった瞬間の荒味漆の匂いは同じはずです。

塗りたての漆器からも漆の匂いがします。でも漆が徐々に硬化(架橋反応)することによってその匂いもだんだん薄れてくるのです。最終的にはほとんど匂いはしなくなります。

むしろしばらく置いておいた漆器から変な匂いがするということでしたら、それは漆ではない素材の匂いであることはほぼ間違いないでしょう。漆器といっても漆を全く使っていなかったり、化学塗料を塗っているものもあります。

話しを戻しまして、この漆の匂いの正体はなんなのか、明治大学の先生が研究しまして、今年1月の漆サミットでその成果が発表されました。それによりますと、漆から出る匂い成分は「セスキテルペン」というもので、精油(アロマオイル)に代表されるような、独特の香気を有している物質で、漆液にも含まれていることが分かりました。

私は漆を精製しているときとてもいい香りだなあと思いながら作業しているのですが、一種のアロマテラピー的な要素があるのかもしれませんね。