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japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

漆サミット2011

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1月14日、15日と漆サミット2011に参加してきました。私はポスター展示で発表があったので、その説明要員として。

昨年に引き続き、会場は明治大学アカデミーコモン。広々とした施設で、隣のリバティタワーも合わせて、明大の学生はなんと恵まれた環境で研究ができるのだろうと羨ましく感じます。
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漆サミットは、漆器ではなく漆に注目した事業で、国産漆に関する様々な課題について議論を深め、積極的に普及宣伝を図る趣旨で開催されています。文化庁の「ふるさと文化財の森システム推進事業」の一環です。

基調講演では東京芸大の三田村先生、東北大学植物園の鈴木先生、そして聞き手としてシンガーソングライターの白井貴子さんが登場。
白井さんの素朴な疑問にお二人の専門家が答えていくというスタイルで、おもしろおかしく話が展開していきました。白井さんは鎌倉にお住まいで、身近に鎌倉彫がある環境で生活していること、それから環境問題、森林問題について積極的に活動していることがバックグラウンドとしてあったので、3人の軽妙なトークで2時間の対談はあっという間に終わってしまいました。

三田村先生が漆の木を直接舐めている画像も登場(笑)し、(会場、ちょっと引いてましたが...)鈴木先生には浄法寺の「漆はちみつ」のことを紹介していただきました。
私が一番興味深かったのは、函館・垣ノ島B遺跡の発掘責任者の阿部さんによる発掘の様子の説明。初めて見る写真も多く、世界最古の漆の痕跡の発掘状況が生々しく再現されました。

トークの後は、白井さんがアカペラで歌を披露していただきました。

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次のセッションは「国産漆のこれからの方向を模索して」というタイトルで、茨城の漆芸家で「壱木呂の会」代表の本間さん、我が浄法寺を代表して若手漆掻き職人の鈴木さん、漆カトラリーで有名な作家の伏見真樹さん、残念ながら昨年廃刊となった「季刊・銀花」の元編集長の萩原さんによるパネルディスカッション。(左から、本間さん、鈴木さん)
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生産者、作り手、使い手、それぞれの立場から国産漆についての発言がありました。個人的には銀花の萩原さんの話しが印象深く、国産であろうが中国産であろうが、消費者は魅力あるモノ、欲しいと思うものを買いたいのだと。当たり前の話ですが...(左から伏見さん、はぎわら
あと、伏見さんの「国産漆を使うのはとても大変だけど、自分が使っていて気持ちがいいから使っている」というお話。
淡々とお話するのですが、道具類も全部国産用に変えなければならなかったとか、サラサラした国産漆は使いづらいけどそれをあえて中国産と同じように粘度を上げるつもりはないし、何よりも匂いが好きなんですとニコヤカに話される様子が印象的でした。

そして一日目はリバティタワーの最上階で、東京の夜景を見ながら懇親会。
お酒の力を借りていろんな方とお話させていただきました!突然「松沢さん!」と呼ばれて、壇上で自己紹介させられたりもしましたが...。
二戸の地酒、南部美人の糖類無添加梅酒も登場しましたよ。

そして翌日は「健全なウルシの森づくりに向けて」ということで、いつもお世話になっているメンバー、森林総合研究所の田端さん、私の前の上司、岩手県県北広域振興局二戸農林振興センターの太田課長、今回のサミットで司会者を務めた二戸市うるし振興室の中村さん、漆研究の第一人者・明大の宮腰先生によるパネルディスカッション。

地方の行政でこれだけウルシの振興をしているところは岩手以外にありません。宮腰先生からはグリーンケミストリーの観点から、漆の様々な活用策を提言いただきました。
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最後は「下宅部遺跡をめぐる縄文時代の漆文化」というセッションがあったのですが、所用があり聴くことができませんでした。

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それから、明治大学をはじめ北見工業大学、森林総合研究所、それから中国からの最新の漆研究や各漆産地のポスター展示も見ごたえがありましたよ。これらのポスター展示は後日冊子としてまとめられるほか、HPでも公開されます。

関係者の皆様お疲れ様でした。来年もサミットが開かれるよう祈っております!