japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

奥州市前沢・生母生産森林組合の植樹

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11月16日、17日の両日、奥州市の前沢区生母・雨請石地区で漆苗木の植栽記念式が行われました。

これは、地元の生母生産森林組合(大石喜清組合長)の方々が、お隣りの胆沢の塗師・及川守男さんと一緒になって植栽の準備を数年前から進めていたものです。今は浄法寺周辺が漆の産地になっていますが、かつては県南地域にも漆が植えられており、浄法寺から職人が出稼ぎして漆掻きをしていたこともあります。

生産森林組合の組合員の方、地元の農家、市や県の職員の方々、総勢70人くらいで作業をしました。浄法寺からは漆掻きの大森清太郎さんと浄安森林組合の小滝課長、私が参加。雪が時折ちらつくとても寒い朝でしたが、皆さんの熱意と活気でなんのその。

それにしても生産森林組合がこれほど活発な活動をしているのは全国的にも珍しいです。林業の低迷や地元から若者がいなくなることを憂慮しつつも、将来に明るい希望を見出すため、数年前から漆に着目して浄法寺まで皆さんで研修に訪れたり、周辺の住民の方々を巻き込んで積極的に取り組まれてきました。
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漆掻きの大森清太郎さんは、全国でもただ一人漆苗木を育苗家として育てている方。大森さんの指導のもと、全員で苗木を丁寧に植えていきました。杉の伐採跡地で、雨請石という地名にもあるように石が多い場所で、石をかきわけながら苗木約2700本を植えました。
植栽は今回では終わらず、来年以降も継続して別の土地で植栽が行われる予定です。
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組合長の大石さんは、この日のために淡々と準備を進めてきました。無事に植栽が済んで、感無量の思いだったと思います。
大石さんの「松沢さん、あとは頼んだよ」という言葉がずっしりと心に響きます。一関商工会議所の宇部会頭からも「若い人に文化を残していきたい」と直々にお話をいただきました。こういう方がいるからこそ岩手の漆文化が続いてきたのだと思います。見過ごされがちですが漆を植える人があってこその日本の漆文化です。野生の漆は日本にはありませんから。

生母の漆についてはずっと関わっていきたいと思っています。15年後の採取を目指して。