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japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

漆の実

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漆の実を枝から外す作業をしました。金沢の知人から実が欲しいと頼まれたのです。一部は取っておいて苗にするつもりです。

漆の実には蝋分がありまして、明治初期まではこれを集めて和ろうそくにしていました。実は房状になっていて、それを昔は洗濯板みたいなものに擦って実を落としていました。

実は臼と杵でついて、種を取り出します。この時出てきた内皮の部分に蝋が含まれているのです。種は苗にするほか、馬の餌にもしていました。漆の実を与えると毛並みが良くなり元気百倍になったそうです。ここは名馬「南部馬」の産地でしたから、漆の実の効用もあったのかもしれません。
漆掻き職人も漆の状態を見るために舐めたりしていますけど、滋養強壮になっているのかどうか...
韓国には漆ジュースがありまして、我が家にもあります。でも怖くて飲んだことないです(笑

閑話休題。
内皮を釜で蒸して、それを蝋袋と呼ばれる籠にいれ、それを胴木という非常に大きい絞り台で挟み、楔を打ち込みます。そうするとわずかな蝋が取り出せるのです。

この楔を打つ作業がかなりの重労働で、和蝋燭づくりというとなんだか簡単にできそうなイメージがあるかもしれませんが、ぜんぜんそんなことはないのです。今は地元浄法寺でも作ってません。製蝋の道具も資料館入りしています。

でも、同じウルシ科のハゼ蝋はいろんな分野で活躍しているんですよ!

神奈川にある企業、セラリカNODAさんでは天然のハゼロウをコピー機のトナーの添加剤として開発しているほか、安全性の高い天然成分100%のワックスを製品化して、化粧品や肉まんあんまんの紙に使用する剥離剤などに使用するなど、天然ロウを幅広い分野で事業化しているのです。

昨年野田社長とお会いしていろいろと話をうかがいましたが、そのイノベーション精神とお人柄にとても感銘を受けました。漆蝋についても研究がはじまっており、天然ロウの世界が絶えたわけではないのです。何か新発見があるかもしれませんよ!