japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

いわて学の講師

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岩手県内の国公私立5大学が連携して実施している共通授業、「いわて学」の講師を依頼され、先日講義をしてきました。

私は「平泉から知るいわての資源 森林資源(漆)」をいうテーマで講義を依頼されたのですが、平泉の専門家ではないのでどういうアプローチで話をすればいいのか悩みました。

いきなり学生に金色堂のことを話してもピンと来ないだろうと思ったので、漆の話をしてほしいと依頼されたときのプレゼン資料で漆の基本的なところから説明して、そのあと文化財の修理修復に使われている浄法寺の漆について触れることにしました。

中尊寺金色堂は1124年に完成してから、何度も修理が行われてきましたが、さすがにもう限界ということで1963年に初の解体修理が行われました。建物も内陣も全部解体して、東京や京都に運びこんで6年の歳月をかけ修理されたのです。
その時に使われたのが地元浄法寺の漆です。地の粉もいわゆる「中尊寺地の粉」と呼ばれる金色堂の裏手から採れる軽石凝灰岩を用いています。これは建立当時も使われ、昭和の第修復の時にも偶然発見され用いられたのです。

金色堂修復にはいろんなエピソードがあって面白いのですが、「国宝中尊寺金色堂保存修理委員会」のメンバーであった漆聖・松田権六も驚いた「白檀沈香下地」というのがあります。
これは漆下地に香料を混ぜて、堂内に香気を放たせるための処理で、外観に夜光貝や象牙など南方から取り寄せた素材をふんだんに使っているのも凄いですが、高度な技法と最新の配慮で極楽浄土を体現している、当時の工人の技術と素養には驚かされます。

金色堂はこれまで5回くらい見ていますが、何時行っても思うのは写真で見るイメージに較べて小さく感じられること。巻柱もこんなに細かったっけ?と思うくらいです。

ということでなんだかんだで拙い講義を無事終えることができました、ほっ。

講義が終わった後、茨城県の大子とゆかりのある学生の方から質問を受けたり、大学の先生方から内容を誉められたり、1時間半程度のいわて学の講義でしたが、まあまあ上手くいったのではないでしょうか〜