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japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

新うるし掻き道具

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 日本うるし掻き技術保存会の研修生の方々(久慈さん、臼杵さん、猪狩さん)と、元気再生事業で漆掻きを研修している小村さん、振興局林務部の職員と私とで、二戸の隣町、九戸村にある「マルイ造形家具」さんにお邪魔しました。
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 マルイ造形さんは「南部箪笥」という彫金を施したデザイン家具を製作しており、従来から積極的に様々なデザインの家具を生み出しています。自社で漆林を持ち、浄法寺とは違った手法で掻いた漆を自社製品に活かしています。しかも漆掻きをしているのは社長さんなのです(千葉重男社長)。

 家具工場を見学したあとは早速漆山へ。7人で2台のクルマに分乗して行ったのですがところどころぬかるんでいる道で、小型の四駆でないと入れません。漆掻きの人たちはほとんどが軽トラかバイクを使っています。私もジムニーが欲しくて物色中です。
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(右が千葉社長)

 早速クルマから降りて、漆林に足を踏み入れたとたん、

 茂みの中から、「グルルルル・・・」という音が・・

 はじめは「チェンソーがなかなかかからないのかな?」なんて言っていましたが、どうも様子がおかしい。
 
 「クマだ・・」

 こちらからは見えないのですが、茂みからこちらを威嚇するように窺っているようです。

 振興局の職員がクマ鈴をリンリン鳴らしていたし、7人もいたので物音をさせていたからいきなり遭遇ということにはならなかったのですが、ヒヤヒヤものでした。
 
 クマだと分かった後でも一行は漆の木を実際に確認しないと気が済まないので(笑)、周囲に目を配りつつ千葉社長の漆掻きを見学しました。
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 千葉社長は盛岡の高橋勇介先生にアドバイスを受けて、従来の漆カンナを改造しこれまでにない形状のカンナを作っているのです。カンナの先は刃の調整が可能になっており、持ち手は掻きやすいように少しアールをつけています。また一番の特徴が持ち手に可動式のベアリングが付いていること。ベアリングは木肌との距離を一定に保つためのもので、安定して傷を入れられます。
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 養生掻きというよりマイペース掻きという感じで、今年は4辺しか掻いていません。お盆頃にはもう漆掻きを終え、2貫目くらいは採ったそう。

 研修生も興味津津で実際に手に持って掻いてみましたが、通常のカンナに慣れているせいかあまりうまく傷を入れられません。
 でも初心者のうちはこの新道具で掻きの感覚を覚えて、次に普通のカンナに移行するのもいいのかもしれませんね。
 この新道具は今後も改良されていくようですが、浄法寺の中にいるとなかなか発想できないことです。こういう新しい取組はとてもワクワクします。新技術が溢れている現在、なにか効率的な掻き方に役立ちそうなものがありそうですが・・

 結局クマとは出会わなくて済みましたが、浄法寺もよく漆掻き中にクマと遭遇することがあるらしいので、クマ鈴やラジオは必須ですね。気をつけましょう。
 


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