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japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

ICCROMの研修2

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 研修2日目は八幡平市に場所を移動。
 八幡平市安代漆工技術研究センターで漆の精製と塗りを見学しました。

 精製には25キロの中国産漆を使用。岩手県工業技術センターで開発した大きな精製機(私がセンターで使っている機械はこれの小型版です)に入れて、作業開始。皆さん興味津津で「なやし、くろめ」を見ていました。

 「なやし」というのは攪拌のこと、「くろめ」は攪拌しながら熱を加える作業をいいます。
 全部終了するまで5、6時間はかかるので、精製漆を確認することはできなかったのですが、次第に色が飴色に変化していく様子を真剣に質問しながら見つめていました。

 作業場はテレビ局や新聞社の取材、地元の文化財審議委員の方々などで満員状態。漆のにおいがプンプンしていたので、かぶれなきゃいいけど・・
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 その後、浄法寺に近い八幡平市の岩屋という地区にある旧家・小田島家の漆室を見学しました。

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 かつては安比川沿いに浄法寺まで漆器をつくる家がたくさんあったのですが、戦後は漆器制作も途絶えてしまいました。
 その制作場所であった土蔵の漆室が周辺のあちこちにあったらしいのです。でも今周辺で残っているのはこの小田島家の土蔵のみ。
 現当主が、当主の祖父が大事にしていた漆器類や道具、漆室を残したいという思いから一式を残していたのです。

 その資料一式を浄法寺総合支所や八幡平市東京文化財研究所が事前に調査しており、今回のイクロムの研修場所としても選定されたのです。


 漆室はやはり適度な湿度があって、外気に大きく左右されない環境を保っていました。内部には木地を手動で挽くロクロの一部や空の漆樽などが並んでいました。

 大柄な海外の皆さんも狭い漆室の中に入っていろいろ質問していました。ここを残していた小田島さんに本当に感謝している様子が印象的でした。日本人以上に感激しているような…

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 そのあと、浄法寺総合支所に移動して小田島家から出てきた大量の漆器や制作用の道具を見学。あまりにも大量だったので、会議室全体にずらりと漆器が並ぶ様子は壮観でした。

 でも、こんな資料が残されているのは奇跡的で、ほとんどの家では邪魔になって廃棄しているところが少なくありません。地元の漆器制作のルーツを探ることができる貴重な資料となりました。

 イクロムの浄法寺での研修はこれにて終了。私もハンガリーの修復家の方と仲良くなれたし有意義な2日間となりました。

 ハンガリー国立博物館のレンス氏と。
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