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japanjoboji blog

浄法寺漆産業 一人社長のブログです。 漆の産地、岩手県浄法寺の漆や漆器のこと、その他いろいろつづります。

漆器って?

 漆は天然の素材ですが、一度固まるととても強靭な塗膜に変化します。特に浄法寺漆の塗膜は薄いのに非常に硬いと言われます。

 各種の合成樹脂素材が数多く開発されている現在でも、漆の耐久性は高く評価されています。溶剤や添加剤などの化学物質を使わなくても単体で重合するので、環境への負荷も少ないのです。

 最近、「グリーンケミストリー」という言葉が流行っていますが、これを体現したものは漆しかないのではと思います。生産過程で生ずる廃棄物の量を削減するのもいいのですが、最初から無駄な廃棄物を出さない、元々ある素材をフルに生かす方向性の方がまとものような気がします。

 酸にもアルカリにも熱にも強い。なので普通に食器用洗剤で洗っても何の問題もありません。乱暴にタワシでゴシゴシなどしなければ・・
 でも木胎(内部が木材)ですので、食器洗い機に入れたりして急激に乾燥させたりすると割れてしまうことがあります。それは漆が悪いのではなく、使う側の問題です。

 良い漆器の醍醐味は、使っていくほどにいい質感が生まれてくることです。特に浄法寺漆器は、購入時はつや消しのマットな質感がありますが、毎日使っていくことで程よいツヤが出てきます。最初からツヤツヤしている漆器もありますが、呂色仕上げといって伝統に培われた熟練の技術でそのような工程・加工をして高級感を出しているのです。

 でも漆器って改めて考えると、漆を塗ったものだから漆器のはず。でもそうではない偽の漆器もかなり流通していますよね。
 漆が使われているから「漆器」なのか、漆のような質感があれば「漆器」なのか・・99%が化学塗料で1%しか漆が使われていなくても「漆器」なのか・・

 そのへんの定義がないまま漆の業界はずっと動いて来たように思います。「塗りもの」という表現もありますが、なにか誤魔化しているような気がしてなりません。基本的には漆が下地から上塗りまで一貫して使われているものを「漆器」と捉えて欲しい。

 今年1月、プラスチック製の食器を「木製」「漆塗り」などと偽って販売していたとして、公正取引委員会景品表示法違反(優良誤認)でQVCジャパン排除命令を出しましたが、遅きに失したという感じがしました。消費者保護意識が高まった結果なのでしょうが・・ 株式会社QVCジャパンに対する排除命令について
 一番着目すべきなのが「漆とウレタン樹脂の塗料を混合したものなどを塗料として用いていたにもかかわらず、あたかも当該商品の素材は木であり、漆のみで塗装を行ったものであるかのように表示していた」というところです。そうなると漆になんらかの素材を混ぜて塗っている場合は、その成分を明らかにして販売しなければならないということになります。

 その辺がまだ曖昧なまま事業者任せで動いているような感じがしますが、いずれ賢い消費者の判断で左右されることになりそうです。

浄法寺漆・漆器ネットショップはこちら http://japanjoboji.shop-pro.jp/
浄法寺漆産業 http://www.japanjoboji.com